2009-02-05

PAST and Future

本当に悲しいとき、そしてつらい時。


人は、涙は出ないと・・・。
それどころか声にならない声しか出ないと聞きました。


今、多くのメディアが『死』を売り物にし
涙を促しているようにみえます。


『死』が軽くなってしまったのでしょうか?
今この瞬間も、紛争や戦争で、飢餓で、病気で、事故で
そして殺人で多くの方が亡くなります。
私は、私個人はその方々の名前すら知りません。そして仮に色々なメディアで名前や顔が流れたとしても、数日後には私の脳裏には全く残っていません。人の『死』が軽くなったと感じることは『私』の責任でもあるのではないでしょうか?『私』が集まり複数になり集落を形成し、村や町になり、街になりそして大都市になります。そして自然に『私』はその他数人の中の『私』から数百万の中の『私』になっていきます。そこに個である私の大きさは存在しえなくなります。種であるヒトという有機体1個になります。そうなったとき隣のAさんとはよく話すけれど、その隣のBさとCさんはあいさつだけ、D・E・F・Gさんは名前だけ、そしてHさんは名前すらも知りませんと。

そしていつか、Hさんが亡くなりました。
私は多分『あ~、亡くなったんだ。なんで、病気、事故?』程度なのです。
逆にHさんも私が死んでも同じ反応なのでしょう。

でもそれが身近な人であればある程。
『死』は容赦なく身近なものとして体感する事になるでしょう。




私は今より幾分若かった頃
愛する人を失いました。
その人は私のことを愛していなかったと思います。
血のつながらないけど仲の良い兄弟程度か、それ以下だったと今では思います。

私はその人のことを一生守りたいと思っていました。
ですがある日、ぱったりと、本当にパッタリと

その生が終わってしまいました。
終わらせてしまいました。



手ですくっていた水が、すきまから落ちてしまうかのように。




理由は家族ですらもわからなかったと聞きました。

ただ何かを私の知らない何かを内包していたかのように
もしくは何か暗さのような妙な感覚を感じたことはありました。


その人の涙を守れませんでした。
傷を治せませんでした。

よく、というか頻繁に遊びにいきましたが

私は家族ではありませんでしたし、
パートナーでもありませんでした。



その人を助けられませんでした。
愛していたのに、守りたかったのに
私は小さくて無力でした。



夢を見ます。
その人の後ろ姿です。
時々、胸が張り裂けそうになります。

あの日は、今日だった・・・。


そして
年を重ね、
『死』を実感として
ほんの少し感じられるようになったと思います。


人は弱いです。
一人では生きられません。

私は今を生きます。
明日は分かりませんが。


過去は今の自分を縛り、規範を作るのではないでしょうか?

しかし未来を選びたいです。
どんなに過去に縛られても


私は今を生きます。
二度と手からこぼれ落ちる事がないように。





For Y .
私が愛したあなたへ。
私はあなたを守れませんでした。
だけど
お願いがあるよ。
お願いだよ。
守れなかったあなたにお願いなんかする事が
間違っているいるのかもしれないけど
優しいあなたなら分かってくれるよね。
私を守って

私が守るために
今度は絶対に失わないために
大事な人を。


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